GENTE 1 (Fx COMICS)

GENTE 1 (Fx COMICS)

 GENTE 1 (Fx COMICS)
 出版社:太田出版
 発売日:2007-08-28
 レビュー評価の平均:(4.5)

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レビュー評価:(5)
大きな事件もなく、抑揚のないストーリー展開
陰影の深いお洒落な絵。
「リストランテ・パラディーゾ」で若い女性の主人公ニコレッタを描くのに割かれていた労力が
老紳士一人一人に分かれて注がれた結果、
より大人向けの、穏やかでかつ影のある雰囲気の本になったようです。

読後感は大変穏やかで安らかで暖かいのですが、
登場人物は必ずさまざまな色の孤独や葛藤に縁取られています。

その影があるからこそ、この本は優しい話をただ一遍やり過ごすのではなく
何度でも読み返したくなる魅力を放っているように感じました。

今回はロレンツォ、ルチアーノとヴィート、あと少しだけテオに焦点が当たっていますが
それぞれが魅力を増して見えるように描かれており、次巻も楽しみです。

レビュー評価:(5)
イタリアを舞台に、4人のメガネ老紳士を
描いた作品です。リストランテ・パラディーゾと
つながる短編集なので注目。

 本作では、メガネ老紳士達の日常が
中心でした。各エピソードで印象的なのは、
目線とセリフ。能弁ではなくても、選び抜かれた
セリフと目線が人間関係を物語っています。

 劇的な展開こそありませんが、じわじわ
心にしみること間違いなしです。

レビュー評価:(5)
僕が初めて触れたオノナツメ先生の作品。筋があるけど物語上の月日が経つのが早い作品だな…と思っていた矢先、実はこれは外伝で、非常に短い本編が存在すると知り驚いた。

声優が好きな私だから、私なりの読み方をしてみる。読む度、登場人物に適当に声優の声をあててみるのだ。読む毎に担当声優を変えてみると、登場人物一人ひとりの台詞の中に、新たな発見がある。
一見おたく臭いが、登場人物一人ひとりの人間性(無愛想、穏やか、無口、達観性)は、「萌え」で言う所の「属性」に通じるものがあるから仕方ない。

僕は男性だが、作品の登場人物全員に恋をしている、といっても過言ではない。美形男性に女性ならともかく男性が惹かれる、というのはそうそうないだろうが、「おっさん」の魅力は万人を寄せ付けるに値する、と僕は言いたい。

レビュー評価:(5)
読めば読むほど味わい深くなる、スルメ?のような短編集です。
小さい子には薄味がいい、と思っても素直に言えず、誰かさんに
ケンカをふっかけてしまうヴァンナが大好き!(深読みすぎるかな?)
他のメンバーもみんな色っぽくて大満足でした。続きが楽しみです。

レビュー評価:(5)
本を購入して頂く為、というよりは、本に少しでも興味を持って、お手にとって頂く為に以下のレビューを書かせて頂きます。

というのも本作の作者であるオノ・ナツメさんは、表紙を御覧の通りとても独特の画風をしていらっしゃいます。耽美系の画風や所謂ロリ、ショタ系等をご所望の方はこのモダンな画風でまず一歩退いてしまうかもしれませんが、何と言うか、そうじゃないんです、オノさんの漫画は、ストーリーは、この絵柄だからこそ二倍も三倍も面白くなるんです。
麗しい耽美系のタッチやロリショタの可愛らしい線筋も勿論素敵ですが、オノさんの漫画とは少し違う。あの絵柄で淡々と物語を綴って下さるからこそ、劇的ではないけど渋みのある日常や、姿の見えない何かが迫ってくるような、底知れない感覚が味わえるのだと思います。そしてそれこそがオノ・ナツメさんの魅力です。

本作は「リストランテ・パラディーゾ」と云う漫画の番外編、或いは続編という括りですが、よしんば本編未読のまま此方を先に読んだとしても、話の大筋自体は見えてくると思います。ただ矢張り『完全に話が繋がる』とまでは言い難いので、個人的な意見で申し訳有りませんが、どちらかというと「リストランテ・パラディーゾ」を読了後に読まれる事をおすすめ致します。
台詞よりも表情と雰囲気で場を魅せる描写は相変わらず絶品。舞台設定や人物設定もとても作りこまれているので、イタリアが舞台の漫画を読む、というよりは、イタリアが舞台の映画を見る、といった感覚でさくさく読める作品です。映画好きのお方も、宜しければ是非。

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